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シャンプーがなかった時代、日本人は髪をどうやって洗っていたのか

公開日:2026-09-24

シャンプーがなかった時代、日本人は髪をどうやって洗っていたのか

毎日シャンプーで髪を洗うのが当たり前な現代。しかし液体シャンプーの歴史はわずか数十年で、それ以前の髪の洗い方は全く異なっていた。

毎朝シャンプーで髪を洗い、リンスでなめらかにする——この習慣の歴史は思いのほか短い。

液体シャンプーが日本の家庭に普及したのは1960〜70年代のことで、それ以前には全く異なる方法で髪を洗っていた。

今、当たり前にあるもの

現代の日本では数百種類のシャンプーが市場にある。ダメージケア・スカルプケア・頭皮保湿・白髪ケア・頭皮環境改善など効能も多様で、男性用・女性用・子ども用・犬用まで分化している。

毎日洗髪するのが「清潔の基準」として定着し、シャンプーはドラッグストアで最もよく売れる商品カテゴリのひとつだ。

それがなかった時代

シャンプーが存在しなかった時代の日本で、最も一般的な髪の洗い方は「ぬか袋(ぬかぶくろ)」を使う方法だった。

米ぬかを布の袋に入れ、お湯に浸けてぬかの成分を溶かし出し、その液で髪を洗う。ぬかには天然の油分・ビタミン・酵素が含まれており、髪と頭皮をなめらかにする効果があった。江戸時代の女性の艶やかな黒髪は、このぬか洗いに支えられていたとも言われる。

「灰汁(あく)」を使う方法もあった。木灰を水に溶かした灰汁はアルカリ性で、油汚れを落とす天然の洗浄剤として髪・衣類・食器の洗いに使われた。

椿油・菜種油などを髪に塗って汚れを浮かせてから洗い流す方法も用いられ、油で洗うというメカニズムは現代のオイルクレンジングに通じる。

どう変わってきたか

「シャンプー」という言葉はヒンディー語の「champo(頭を揉む)」に由来し、18世紀のイギリスでインド式の頭皮マッサージが「shampooing」として流行したのが起源とされる。

日本では明治時代から粉末状の「粉石けん」が髪洗いに使われるようになり、1932年に資生堂が「カミロン」という固形シャンプーを発売した。液体シャンプーが普及したのは1960年代で、花王「ワンプッシュ」などの製品が家庭に広まった。

1970年代以降は「毎日洗う」習慣が定着し、以前は週に1〜2回だった洗髪頻度が大きく変化した。

清潔さの基準は時代で変わる

「清潔な髪」の定義は時代によって異なる。

ぬか袋で週に数回洗っていた江戸時代の女性の髪が不潔だったかというと、その時代の基準では十分に清潔だった。毎日シャンプーで洗う現代の基準は、洗浄剤の普及・水道の整備・生活習慣の変化が重なって形成されたものだ。

清潔の基準を作るのは科学だけでなく、産業と文化と時代の組み合わせだということが、シャンプーの歴史から見えてくる。

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